日本歯科保存学会

澤田則宏

2010年10月30日 06:46

 28日(木),29日(金)と日本歯科保存学会出席のため,岐阜に行ってきました.

 今回の保存学会は,日韓共催であったこともあり,韓国の先生方も多数参加されていました.留学先で知り合った友人達も来日しており,久しぶりの再会を楽しむことができました.Dr.Baekはマイクロエンドにおける超音波チップの有用性について講演し,またDr.Leeはエンド領域におけるregenerationについて講演をしてくれました.講演後にお二人とお話をし,私も良い情報を得ることができました.

 米国でEndodontist(歯内療法専門医)として仕事をしている駒林先生の講演もありました.駒林先生は米国でEndodontistとして活躍している数少ない日本人の一人です.Pulp capping(直接覆髄)に関する話の内容はとてもわかりやすく,素晴らしい講演でした.また夕方から米国のEndodontistについての講演もあり,こちらもとても興味深い内容でした.日本の歯科医療をどうすべきか,駒林先生の講演の中にヒントがあったように思います.

 夕方行われた認定研修会では,国立長寿医療研究センターの中島美砂子先生が歯髄の再生について講演をされました.私も以前,器官培養を行い象牙芽細胞を誘導できないか,などと夢のようなことを考えていた時期があります.その頃中島先生はBMPなどを使った論文を発表されており,「すばらしいなぁ」と思っていました.今回の講演はもっと進歩しており,歯髄が再生されている内容でした.先日の国際歯科学会で,「10年後にはiPS細胞を用いて,歯髄が再生されるようなことになっているかもしれませんね」とシンポジストとしてお話しましたが,今回の中島先生の話を聞くと,これも夢物語ではないと感じました.

 医療は日々進歩しています.最新の知識を得るためにも,研鑽を積まねばならないと感じた学会でした.貴重な講演をしてくださった先生方に感謝致します.

関連記事