顕微鏡を使用した歯内療法など無痛治療で抜歯をしない歯科治療は四谷の澤田デンタルオフィス

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歯内療法専門医の医院情報,活動報告,そして歯内療法に関する最新情報を発信しています.

エックス線の影

先日来院した症例です.
患歯は右上中切歯です.

昨年12月に痛みがでて,近医で再根管治療を受けました.
来院時に「鼻の下あたりを押すと痛みがあり,
ときどきズキズキする」と訴えていらっしゃいました.

口腔内写真です.


根尖相当部を触診しても圧痛はほとんどありません.
打診にも痛みを感じていませんでした.
歯肉の色も良いですね.


エックス線写真です.
 

根管治療はしっかり行われているようです.
治療した先生は「エックス線写真で良くなっていないので,
歯が割れているかもしれない」とコメントされたそうです.






さて,歯科医師の皆さん,どうですか?
先生だったらどう判断し,診断は?
そして治療方針は?



エックス線写真の影はそう簡単に消えません.
骨が再生し,成熟しないとエックス線で白く写ってこないのです.
元の病変の大きさにもよりますが,骨が再生して完全に落ち着くのには,
通常の根管治療であれば1年ぐらいの期間がかかります.
外科的歯内療法の方が骨再生が早く,それでも半年ぐらいです.

この症例は治療したばかりです.
この段階でエックス線透過像の縮小はみられなくても全くおかしくありません.
しっかり補綴処置や修復処置を行い,
定期チェックをしていくのが良いでしょう.

患者さんにもその旨をお話しました.
患者さんは歯科医師に言われた言葉が気になっており,
そのために違和感が強くなってきていたのかもしれません.
私の話を聞いたあと,患者さんは安心し,
当院では治療を行いませんでした.

「もちろん,腫れたり痛みが強くなった時にはすぐ拝見します.
その時にはご連絡ください」とお話してあります.

でも,きっと良くなると思います,この症例.
前医はしっかり治療してくれています.
独り言のように言っただけかもしれませんが,
先生の言葉を患者さんは敏感に察知します.
丁寧な説明が必要だということがわかる症例ですね.

私達専門医の出番はない方がいいのです.
この症例もきっと私の出番はないでしょう.
でも,その方が患者さんはハッピーです.
患者さんの健康が私達の望むところですから,私もハッピーです.


エックス線に写る影は,骨がないことを意味しています.
「影=炎症」ではありません.
過去のブログも参考にしてください.
http://blog.sawada-dental.com/e141997.html







更新日:2011年06月26日

歯科医師の治療 Part2

昨年,「歯科医師の治療はどうしていると思いますか?」
というブログを書かせてもらいました.


歯科医師の歯が痛くなった時に誰に治療してもらうのか?
もちろん,自院に他の信頼できる歯科医師がいれば,
その先生に診てもらうわけですが,
一人で診療している先生はどうするのでしょう?


当院では,開業以来多くの歯科医師の先生が訪れています,
と以前のブログでお話させていただきました.


ところが,今年はそのペースが例年の比ではありません.
今までは年間5人ぐらいだったのですが,
今年は既に5ヶ月で5人の歯科医師の先生が訪れています.


急性症状がでてしまうと,痛みは耐えられません.
鎮痛剤で落ちつかせるわけですが,
やはり応急処置が必要となる場合があります.
歯科医師といえども生身の身体ですから,
激痛を耐えて,患者さんの治療を行うのは困難です.

そんな先生方が当院に飛び込んでいらっしゃいます.
既に1ヶ月に1人のペースですから,例年の倍のスピードです.


スタッフからは,
「先生,どこかで何か話をしましたか?」
と聞かれましたが,特別な話はしていません.


しかし,こうやって歯科医師の先生方が信頼していくれることはありがたいことです.
その信頼を裏切らないように,今までと同様の丁寧な治療を心がけていきます.

痛みでお困りの先生,是非ご相談ください.
もちろん,一般の患者さんも遠慮なくご相談ください.


更新日:2011年06月05日

瘢痕治癒

根尖切除術の経過です.


右上側切歯に大きなエックス線透過像が認められ,
患者さんも「半年前ぐらいから,疲れると痛みを感じる」
と訴えて来院されました.

当院初診時の口腔内写真とエックス線写真です.





















大きなエックス線透過像が認められます.




根尖切除術(Microsurgery)を行いました.











オペ直後のエックス線写真です.



術後の経過は順調で,先日オペから26ヶ月後の予後を取りました.











歯根の切断面から離れたところに透過像が認められますが,
炎症が大きかったため骨内に生じた瘢痕治癒の像です.
切断面には骨が再生しています.

経過を知らない先生が診たら,
「なんだこれは?」と思われるでしょうね.
もちろん,執刀した私も主治医の先生も瘢痕治癒であるとわかっていますが,
患者さんにも,瘢痕治癒について説明し,
「他の先生が診たら,これまでの経緯をしっかり説明してくださいね」
とお話してあります.


口腔内にはもちろん炎症所見は全く認められませんでした.











オペの切開線も全くわからないですし,
病変の大きさを考えると,
術前と比べても歯肉の変化はほとんど見られません.

非常によく治っていると判断した症例です.




更新日:2011年05月09日

慢性痛の症例

初診時に痛みを訴え来院した症例です.

患者さんは「もう3ヶ月ほどつらい思いをしているので,
早くなんとかしたい.肩から手先にかけても痺れがある」
と訴えていらっしゃいました.



患歯と思われる左下第一大臼歯を診査しましたが,
明らかな炎症所見はなく,
患者さんが訴えている痛みの原因が左下第一大臼歯である,
という確定診断には至りませんでした.


痛みの原因について確定診断に至らないため,
治療中の歯を私達専門医のところで治療しても
どれだけ良くなるかはわからないこと,
良くなるとしても速やかに痛みが消失するわけではなく,
徐々に緩和していくような感じであることなどを説明し,
患者さんの同意を得た上で,根管治療を開始しました.



治療中も痛みは続いていましたが,
患者さんも私達の言うことをしっかり理解してくださり,
一生懸命治療に通ってくださいました.


根管充填後も痛みは完全に消失したわけではありませんが,
紹介元の歯科医院で補綴処置をしていただき,
経過観察をしていただきました.



先日根管充填13ヶ月後で,予後をとりに来院されましたところ,
「痛みは全くなくなり,普段は何も感じていません」
ということでした.



エックス線写真でもとてもよく治っていると思います.
もちろん,口腔内に炎症所見はありません.


慢性痛の症例では,痛みが徐々によくなっていくため,
長い経過観察が必要となります.
患者さんと私達歯科医師との信頼関係が成り立っていないと,
治療が上手くいかなくなってしまいます.

今回の症例も主治医の先生と患者さんの信頼関係がしっかりあり,
また,私達と主治医の先生と上手く連携した治療ができたと感じています.


このような症例で患者さんに「ありがとうございました」と言っていただけると,
私達も一生懸命治療したかいがあったと嬉しい気持ちになりますね.



更新日:2011年05月05日

セカンドオピニオン

先日のブログでも少し書きましたが,
セカンドオピニオンについて考えてみたいと思います.

セカンドオピニオンとは,
歯科医師の診断や治療方針について,
患者さんが別の歯科医師の意見を求めることです.

意味のあるセカンドオピニオンを患者さんが得るためには,
最初の歯科医師から診査内容やエックス線写真などのデータを
もらってくることが不可欠です.

当院でもセカンドオピニオンの希望を受け付けておりますが,
前医からのデータがないと,
それは「ファーストオピニオン」となりかねません.
(ファーストオピニオンという言葉があるかわかりませんが....)

過去の診査や治療内容,そしてその経過などがあってはじめて
セカンドオピニオンをお話できるのです.



そして,歯科医師の診査内容および診断はよく聞いてください.
必要であればメモをしてもいいでしょう.
良医は必ず丁寧な説明をしてくれるはずです.
わからなことがあれば,「ここはわからない」と言うこともあるかもしれません.
私も確定診断に至らず,
複数の鑑別診断を提示することもあります
診断結果に基づき治療方針は決まるのですから,
我々歯科医師の話をよく聞いて,
わからないことは遠慮なく質問してください.


セカンドオピニオン,大歓迎ですが,
前医の診査や治療内容などももらってきてくださいね.




更新日:2011年04月27日

時系列で診る

昨日お話した
「心臓は語る」という本の続きの話です.


検査の章に
「時系列で比べないと判断できないことも多い」
というところがあります.

そこからの抜粋です.

「検査のときに,医者が一番困るのは,
その時点での検査結果しか判断材料がない場合です....(中略)...
しかし,そこに三年前と五年前のレントゲン写真があれば全く違ってきます.
...(中略)....診断をより正確にするためには,
過去のデータも必要なのです.」


以前,エックス線写真の影についてお話しました.
影があるからといって,悪いとはかぎらないのです.
http://blog.sawada-dental.com/e141997.html

もしかしたら,前医が一生懸命治療して,
治癒してきている過程かもしれません.
瘢痕治癒になっていると,治癒していても透過像が残ることもあります.

よくセカンドオピニオンを聞きたいと来院される患者さんがいますが,
以前のデータがなければ,我々が下せるのはファーストオピニオンです.
是非主治医の先生から以前のデータを添えた紹介状をもらってきてください.
そうすれば,セカンドオピニオンをお話することが可能なのです.

10年前からある影であれば,
それは何も悪さをしていないのかもしれません.
そのような場合は,経過観察(待機的診断法)というのも大事な治療法ですね.

時系列で診る,ということが結構大切なのです.



更新日:2011年04月06日

「わかること」と「わからないこと」

以前読んだ本ですが,
南淵明宏先生の「心臓は語る」
という本を紹介します.



心臓の役目,心臓病,その治療法などについて,
わかりやすく書いてあります.


検査の章をみると,
どの検査も,「わかること」と「わからないこと」がある
というページがあります.

ここの一節を抜粋します.

「検査にはそれぞれ「わかること」と「わからないこと」があります.
たとえば,画像診断の場合,検査結果として出てくるのは
二次元の画像です.しかし,実際の人間の体は三次元です.
診断というのは,『二次元の画像から三次元の状態を推測する』
という難しい作業になります.」



ここを読んだとき,
歯科のエックス線写真も同じだ,と思いました.

歯科のエックス線写真でも
「わかること」と「わからないこと」があります.


歯科のエックス線写真でよく見る「黒い影」は何を意味しているのでしょうか?
エックス線写真でわかるのは硬組織の有無です.
わかりやすく言うと,骨や歯があるかないかです.
そこにあるのが炎症かどうかはエックス線写真ではわかりません.

そしてその影の位置や大きさを正確に知るには,
2方向以上からの撮影が必要なのです.
歯内療法専門医は術前のエックス線写真を2方向から撮影し,
立体像を頭の中で構築します.
つまり,2次元の情報をもとに,3次元画像を構築しているわけです.

もちろん,それでも限界があります.
診断がつかず,治療方針が二つ以上考えられるような場合,
CTを撮影することもあります.
(第一選択として最初からCTを撮影することはありません.
被曝量が多く,そこまでしなくても通常のエックス線写真で
十分な診断ができる症例がほとんどだからです.)



正確にエックス線写真を読影することは結構難しいのです.
前述の「心臓は語る」にも書いてありましたが,
医師によって読影力にも差がでます.

歯内療法専門医に診てもらうことにより,
専門医がどのようにエックス線写真をみているか(読影しているのか),
聞くこともできます.
診査を受けるだけでも価値があるかもしれませんね.






更新日:2011年04月05日

歯内療法学会誌

歯内療法学会誌の最新号に,
私が勤務していた教室の須田英明教授が,
「わが国における歯内療法の現状と課題」
という総説を発表しています.



大学教授として,
歯内療法の現状を的確にまとめてあり,
一読の価値があると思います.

歯科医師の先生,そして患者の皆様も,
是非読んで頂きたい文献です.



また,歯内療法学会は開業医の先生と大学の先生の比率が半々であり,
歯科の学会としては珍しく,臨床にも研究にも活発な発表をしております.
開業して臨床に専念されている先生方にも
有意義な情報が多々ありますので,
興味のある先生は是非ご入会いただきたいと思います.

日本の歯内療法を良くしていくためには,
歯科医師一人一人の努力が不可欠ですが,
学会,歯科医師会,大学などの協力も必要です.
歯内療法学会が活性化することも,
将来の歯内療法,そして歯科医療を明るくするために必要だと思っています.

このブログをみて下さる歯科医師の先生方,
是非歯内療法学会ものぞいてみて下さい.




更新日:2011年03月30日

あかない根管

先日来院された症例です.

下顎第一大臼歯の根尖に大きな透過像がある,
ということで,主治医の先生から紹介で来院されました.

初診時のエックス線写真がコレです.


確かに近心根の根尖に大きな透過像が認められますね.
当院にて顕微鏡下で処置をしましたが,
本来の根管は石灰変性をしており,
根尖まで器具が届きませんでした.

でも,石灰変性は生体の防御反応の一種ですから,
感染源を取り除くことができれば,
病変は治癒に向かってくれます.

当院で行った処置は感染源の徹底的な除去です.

その結果.....


これが術後14ヶ月のエックス線写真です.


透過像が消失し,骨再生の様子がわかります.



根の先まで器具は届きませんでしたが,
「あかない」ことが悪いわけではありません.
細菌感染を除去できるかどうか,
そこが治るか治らないかの分かれ目です.

治療中にはラバーダムをし,
器具はすべて厳密に滅菌したものを使い,
細心の注意を払いながら治療をしています.

目的は感染源の除去であり,
根の先まで器具が届くこと(「あく」ということ)は,
治療の一手段でしかないのです.



かぶせものも主治医の先生が適合の良いものを入れてくれています.
これなら二次カリエスも起きず,
永くこの状態を維持することが可能でしょう.


主治医の先生とともに,良い治療を提供できたと思います.
患者さんもハッピーですよね.




更新日:2011年03月23日

風邪に抗生剤は効かない

最近読んだ本の話です.

岩田健太郎先生の
「麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか」
という本を読みました.



題名を見ると新型インフルエンザの話かと思いますが,
話の半分は抗生剤のお話です.

感染症専門医というのが日本にはほとんどいないそうです.
確かに私の友人医師達も,
「なんだ歯科医は感染症もろくに解決できないのか」
と,自分達は感染症を克服したかのような発言をしています.

でも,感染症って結構奥が深いのです.
新しい抗生剤がでれば,すぐに耐性菌が生まれます.
結局のところ,耐性菌はなくならないのです.

ということは,今ある抗生剤を含めて,
適切な時に,適切な抗生剤を,適切な量使用していかないと,
結局身の破滅になってしまうということです.

当院では抗生剤をほとんど使用しません.
急性症状があれば,抗生剤を出しますが,
通常の根管治療では抗生剤は不要です.

先日,「仕事が忙しく,医院まで来るのは大変なので,
この腫れが引かなかった時のために,
もっと抗生剤をください」と患者さんに言われました.
私は,「もししっかりこの抗生剤を飲んで,
効かないのであれば,違う抗生剤もしくは違う応急処置を検討しますから,
そのときは来院してください」とお話しました.

日本では医科も歯科も抗生剤を使いすぎです.
風邪にも抗生剤は効きません.
風邪で抗生剤をだされたら,首をひねりましょう.

我々歯科医師も抗生剤の使い方をもう一度考えるべきかもしれません.
抗生剤は適切に使用したいと考えています.



更新日:2011年03月09日

大きな病変

「根の先に大きな病変があるから,
この歯は抜歯した方がいいでしょう」
と言われて来院される患者さんがいます.


本当に大きな病変は治らないのでしょうか?


先日予後をとりに来院された症例です.

術前のエックス線写真がコレです.












右下第一大臼歯の根尖に大きなエックス線透過像が認められますね.


当院での処置後16ヶ月後のエックス線写真がこちらです.


根尖にあった透過像の部分には骨が再生しています.


もう一例

こちらの症例は「排膿がとまらない」と紹介されてきました.
術前のエックス線写真です.



通常の根管治療を行い,
1年7ヶ月後のエックス線写真がこちらです.




どちらの症例も,通常の根管治療を行っただけですが,
とても良く治っています.

病変の大きさはあまり関係ないようですね.
むしろ,病変がどのぐらいの期間,
そこに存在していたのか,の方が問題になるようです.

「今まで何度も腫れているのだけど,
仕事が忙しくて,放置していた」
というような症例は,病変がさほど大きくなくても,
治りにくい傾向があるように思います.


病変の大きさだけで判断せず,
我々歯科医師はできるだけ皆様の歯を残すことに
全力を傾けています.


更新日:2011年03月07日

歯に穴があいている

今回のブログでお話する
歯に穴があいている状態とは,
穿孔のことです.

むし歯が進行し,シンケイの通っている管(根管)内が感染すると,
歯に穴があくことがあります.

「穴ぐらいなら何とかします」
と患者さんに説明しますが,
以前は何とかできなかったのです.
多くの症例が抜歯になっていました.

でも今は顕微鏡とちょっとしたテクニックで,
今まで治せなかった穴が治せるようになりました.

症例をみてください.


患者さんは近医で治療を受けていましたが,
先生から「穴があいていて感染がおさまらないので,
分割抜歯か,抜歯しかない」と言われたそうです.

術前のエックス線写真がこれです.


分岐部といいますが,2つの根の間が黒くなっています.
この部分に炎症があり,骨が溶けてしまっているのです.

当院で根管治療と穿孔部封鎖処置を行い,
2年後のエックス線写真がこれです.



よく治っていますね.
適切な処置をすれば,身体はちゃんと骨を作ってくれるのです.

穴があいていても,まだまだ残せるチャンスはありますよ.



更新日:2011年02月28日

上顎洞炎

1年半ほど前に当院で根管治療を行った患者さんのお話です.

当院にいらっしゃる前に,
他院で「上顎洞粘液嚢胞の疑い」という診断をされたそうです.



上顎洞炎の原因が歯からきている場合,
病名は「歯性上顎洞炎」となります.
もし,上顎洞に近接する歯に感染の疑いがある場合には,
歯の治療をしっかり行う必要があります.

「歯性上顎洞炎」であれば,
歯の治療(根管治療)でよくなることがあります.

今回の症例も,術後の経過は順調で,
根管治療終了1年後に予後をみた際に撮影したエックス線写真がこれです.



術前のエックス線写真(下)と比べると,
キレイに上顎洞炎が治ってきているのがわかります.




同様の症例は日本補綴歯科学会誌でも紹介してあります.
(最先端歯内療法,日本補綴歯科学会誌,2:218-225,2010)


上顎洞炎でお悩みの方,
「歯性上顎洞炎」の可能性がないかどうか,
主治医の先生に相談してみてください.
歯の治療で改善される場合もあります.

根管治療が難しい症例の場合,
主治医からの紹介を頂ければ,
我々歯内療法専門医が診査・診断のうえ,治療を行うことも可能です.



更新日:2011年02月18日

日本歯科評論2月号

日本歯科評論という歯科雑誌にコラムを書きました.

内容は,「Ni-Tiファイルとステンレススチールファイルの使い分け」です.




歯内療法に限ったことではないと思いますが,
新しい物(器具,術式)にも,古い物にも
それぞれ長所と短所があります.

「Ni-Tiは折れるからいやだ」という頭の固い先輩,
「ステンレススチールファイルは柔軟性がない」と
相手にしない若手,.....
これでは効率のよい治療はできません.

それぞれのメリットを最大限に生かす方法を考えていきたい,
それが私達歯内療法専門医が伝える歯内療法なんです.

今回のコラムに対して読者の方から,
「わかりやすい文章で整理されていて,とても参考になる」
というコメントもいただきました.
ありがとうございます.

歯内療法で困っている先生,
よかったら,是非手に取ってみて下さい



ところで,同じ雑誌に大学の同級生の若林先生の臨床論文も載っていました.
その内容も「今までの治療をしっかり見直そう」
という感じかと思います.

「最近,少し揺れ戻し現象が起きている」と雑誌編集部の人は言います.
新しい技術も必要ですが,
若い先生方には今までの技術もしっかり覚えてほしい,
と考えています.




更新日:2011年02月09日

外科処置だから...

歯内療法は外科処置である,ということはお話しました.

でも,実は一般の外科処置よりもっとシビアなことを要求されるのです.


手にけがをして,縫合などの処置を受けたとします.
皮膚の下には血管系が増殖し,
生体の防御反応がおきてきます.
この部分は医学的には生体の中にあたります.

しかし,シンケイを取った歯の中には,
血管はないのです.つまり生体の防御反応がおこりません.
そして,エナメル質という上皮系(皮膚と同じ)がなくなっているので,
お口の中の細菌(口腔内常在菌)はどんどん入ってくるのです.




実は,通常の外科処置より,もっとシビアな滅菌概念が必要です.
外科処置でも,術野を消毒し,器具は滅菌したもので切開や縫合をしますよね.

歯内療法ではこの外科処置と同様,もしくはそれ以上の滅菌レベルが要求されます.
我々歯科医師は歯内療法を行う際に,
使用する器具にはもちろんすべて高圧蒸気滅菌をかけていますし,
術野にはラバーダムをかけ,消毒をし,
術中に唾液と一緒に細菌が入り込まないように気を遣っているのです.


さて,皆さんはどのような状態で外科処置を受けたいでしょうか.



更新日:2011年02月02日

歯内療法は外科処置

「歯内療法は外科処置です」と,私はコースや講演会でお話しています.

歯を削ること=身体を切る
ということなのです.

「おなかが痛~い」と来院した患者さんに
診査もせず,「じゃぁ,おなかを切って見てみましょう」
と医者は言わないはずです.

「歯が痛い!!!」と言って来院した患者さんでも同じです.
まず診査をし,診断をつけてから,治療方針が決まるのです.



たとえば歯内療法専門医の元に来院された患者さんに対して,
まず問診で,痛みの始まった時期,その後の対応や治療,
痛みがどのように変化したか,薬は効いたのか,
というようなことを聞きます.

その後,口腔内を診査し,視診・触診で,腫れや発赤の有無を検査します.
歯をたたき,打診痛があるのか,
歯周ポケットを調べ,周囲歯槽骨が存在するのか,
などをチェックします.
そして,エックス線写真で歯を取り囲む骨の状態を精査し,
一連の診査が終わったところではじめて診断が下るのです.


診断が決まれば,治療方針も自ずと決まってきます.
患者さんにその治療のメリットやデメリット,
予想される術後の経過などを説明し,
患者さんの同意を得て,はじめて治療が開始されます.
(インフォームドコンセントですね.)


「歯が痛い!!!」という患者さんに,
「はい,じゃぁ口あけて.....」.....キーン(歯を削る音)....
というのは昔の話で,
今は歯科医師がしっかり診査・診断をし,
治療内容を説明したうえで,治療を開始しています.

説明にはわかりやすい言葉を使い,
患者さんに理解してもらうように努めていますが,
よくわからないことがあれば,遠慮なくご質問ください.
我々歯科医師もそういう質問を待っています.



更新日:2011年01月26日

主治医

歯内療法専門医は主治医にはなりません.

主治医の元で決めた治療計画にそって治療を進めていく上で,
難しい場面に直面した際に,お手伝いするのが専門医の仕事です.

では,主治医(かかりつけ医)って何でしょう?



当院では初診でいらっしゃった患者さんには,
主訴となる歯の過去の治療内容をまず聞きます.

ほとんどの患者さんは,
その歯が痛くなったころから,治療の経過などを正確に答えてくれます.

しかし,最初に虫歯の治療したのは?
シンケイを取ったのはいつですか?
というような質問にはほとんど答えられません.

そりゃそうですよね.
2,3年前ならいざしらず,10年,20年となれば
記憶も曖昧になって当然です.

主治医の先生からの紹介状には,
その医院で処置した内容が記載されています.

以前治療したときに,虫歯が進行していて,
やっと残した歯であるとか,
破折線があったが,何とかここまで持たせているとか,
重要な情報が書いてあります.

患者さんはその場では治療内容を聞いているはずですが,
数年もたてば,果たしてその歯が今回の痛みのでた歯だったかっどうか,
わからなくなってしまうものです.

こんな時に,長年通院した主治医の記録は大変役立ちます.
「○○先生のところへ行けば,私の歯の記録がちゃんと残っている」
という事実はとても重要なことなのです.


是非,みなさん主治医をしっかり決めてください.





更新日:2011年01月22日

顕微鏡の選び方

歯科医師の皆様へのメッセージです.

講演会の質問で多いのが,
「どの顕微鏡がいいのですか?」
というものです.


顕微鏡の値段も,
安い物から高い物まで様々です.

高い顕微鏡にはそれなりに理由があります.
可変鏡筒の有無,レンズの質,アームの動き,
カメラの種類などなど......



では,やはり高い顕微鏡を買った方がよいのでしょうか?
私はそうは思いません.

開業する若い先生が,
「今はお金がありません.10年経って,経営が安定してきたら,
良い顕微鏡を購入します.」
と言うのを聞いたことがあります.

それなら,安くても今すぐ顕微鏡を導入することをお勧めします.

10年間の治療の質が変わるのですから,
今すぐ導入しない手はありません.

治療の質が上がれば,患者さんは必ずついてきてくれます.
結果的に経営は上手くいき,
初期投資の顕微鏡分ぐらいはすぐに回収できるでしょう.



当院の顕微鏡は,
Carl ZeissのProMagisです.
ProMagisは,後継機種ProErgoに変わっており,
現在は手に入りません.
この顕微鏡は高い顕微鏡です.

でも,もう一台はマニーのManiScopeZです.
この顕微鏡,値段は安いのですが,
しっかり見えます.

若い先生が開業時にまず一台,
と考えるなら,こういう手頃な顕微鏡で良いと思います.

開業を考えている先生,是非顕微鏡を導入してください.



顕微鏡の選び方に関するさらに詳しい情報は,
私たちの主催するコースで詳しく説明しています.
http://www.sawada-dental.com/
HPからセミナー案内をご覧ください.





更新日:2011年01月04日

マイクロエンド その2(達人の技)

昨日お話した症例ですが,
今は顕微鏡があるので,あの細い根管にも適切な処置が行えます.


でも,私が大学を卒業した頃,20数年前は,
顕微鏡なんてありませんでした.

私に歯内療法を教えてくれた先生達は,
この治療を肉眼でやっていたのです.

いやぁ,達人の域に達していますね.


私は達人ではないので,今では顕微鏡なしでは治療ができません.
毎日,ずっと顕微鏡をのぞいて治療をしています.


マイクロエンド,これからはこの時代です.
顕微鏡をみて,確実な治療を行いたいものです.



更新日:2010年12月24日

マイクロエンド

先日の症例についてお話します.


上顎大臼歯の根管があかず,コンビームCTを撮影して,
本来の根管の方向や彎曲の状態を精査しました.

CT上で根管は石灰変性しており,
本来の根管は閉塞しているような状態です.

当院のCTは0.125mmの解像度ですから,
理論上,それ以上細い根管は検出できないことになります.

もっとも,私たち歯科医師が通常使うファイル(針のようなもの)の
細いのが0.1mmの直径ぐらいですから,
それ以上細い分岐(実はこの分岐が無数にあります)には
器具が入らないことになります.

この症例でもCTで根管は認められなかったので,
「これは器具の限界かな」と考え,
患者さんにも「そこから先は薬で消毒し,
もし再発するようなら外科処置の適応になります」
と説明し,治療を開始しました.



すると,......

歯根の中央部を顕微鏡下で精査したとき,



みっ,見えました....根管の痕跡です.


(Leica M320でみた根管内)

矢印の部分が狭くなった主根管です.
直径にして,0.08mmです

コンビームCTでも検出できなかった根管ですが,
顕微鏡下でやっと見つけられました.




さて,ここからが大変です.
見つけられたものの,患者さんの奥歯の歯の中,
そしてさらに根の先のほうにあるわずか直径0.08mmの穴に,
器具を入れてキレイにしなければなりません.....
文字通り「針の穴を通す」仕事です.

結局,この根管の拡大に予約1回分,
1時間半を要してしまいました......汗;;

でも,価値はありますよね.
これでこの歯を残せる可能性がグッと増えたわけですから.




というわけで,歯内療法専門医は毎日こんなことをしながら,
皆さんの歯を一本でも多く残すべく,努力をしています.


更新日:2010年12月23日

院長 澤田則宏ブログ
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